釜 の 仙 境 沢 歩 き 2022年9月4日
メンバー 2名
9月4日 晴
釜の仙境は,上磯ダムの上流にある戸切地川の馬蹄状の切り立った沢一帯を指す。かつては,北斗市の観光名所で現地に案内看板が掲げられ駐車場と戸切地川までの木道の遊歩道が整備されていた。残念なことに,整備された数年後の大雨で木が倒れ遊歩道の数か所を破壊した。その後、道は復旧されることはなく、釜の仙境は閉鎖され、木道は撤去された。
数年前某山岳団体が釜の仙境沢歩きを実施し,そのようすが道新南風に記事となった。私はそこに掲載された深いゴルジュ帯の沢の写真に魅せられ,いつかは行ってみたいと思っていた。今年の8月上旬、同山岳団体が釜の仙境沢歩きを実施した。同行した友人からその様子を聞いて,私も行こうと決心した。坂口さんのブログやヤマレコに掲載された他者の釜の仙境山行記録を見て大体のイメージを固め,我函館山岳会のメンバーに声がけし9月4日に私と伊豫田さんの2名で釜の仙境沢歩きを実施した。
9:20釜の仙境駐車場到着。駐車場から南側の東屋で,セルフビレイ,ザイル操作,八の字結び,ATC環を用いた懸垂下降の操作法の確認を行った。
9:54沢上流部へ出発。10:06入渓。始めは穏やかな沢で気持ちよく進む。10:38核心部のゴルジュ帯に入る。川幅が狭くなり,沢が深く流れが速い。深みに落ちれば流されると思うと身がすくむ。まもなく絶壁から水が噴き出て滝となっている箇所に出た。このあたりに北海道一大きい洞窟があるらしいが,洞窟を探す気持ちのゆとりがない。滝の直下をへつりながら進む。
11:06最南端の中間点到着。ここが最大の難所だった。これまで以上に深く、流れが早い。右の壁はへつりながらなんとか行けそうだが,滑って落ちそう。壁を高巻くか,右壁を前進するか協議した。高巻くと下降の際,懸垂下降となる。某山岳団体の釜の仙境沢歩きではザイルを使っていないと聞いているので,高巻かないで右壁を前進することとした。しかし、安全を図りここでザイルを使った。ビレイ確保して伊豫田さんに,ザイルを送り出してもらい,私が先にへつりながら進んでポジション確保した。その後伊豫田さんが続き,ようやく難所を超えたが30分を要した。
11:50流れは穏やかな背の立たない淵に出た。左側の壁にへつりながら進んだものの足がつかない。IYさんが華麗に泳いで先に進んだ。私も立ち泳ぎで後に続いたが、腰にカラビナがぶら下がり重くて沈みそうになる。ヤバいと思ったときに足が地面に届き安堵。ここでゴルジュ帯は終了。沢は広くて浅く穏やかで明るく暖かい。12:06遊歩道跡に到着し沢歩きは終了。核心部では緊張の連続で,沢を楽しむゆとりがなく終えたいという気持ちが強かったので,終了時が嬉しかった。また,なかなかすごいところを行って来たんだとという充実した気持ちにもなった。休憩したのち,遊歩道跡を辿る。12:28駐車場到着。濡れた衣服を着替えて温泉に向かった。 (OT記)